王道と覇道 2010 10 24
子曰、「道之以政、斉之以刑、民免而無恥。
道之以徳、斉之以礼、有恥且格。」(論語)
先生が言われるには、
「国民を導くのに、数々の政治的規制を用い、
国民を治めるに、刑罰をもって臨むならば、
国民は、規制や刑罰を免れさえすればよいと考えて、
悪いことをしても心に恥じることはなくなる。
国民を導くのに、政治家の優れた人格による徳を用い、
国民を治めるに、道徳的規範として礼節を用いるならば、
国民は、悪事に対して心に恥じることになり、
自ずから国民は善に至ることができる」。
法律や刑罰による政治と、徳と礼節による政治を比較し、
後者こそ政治の基本であると述べた。
いくら規制や法律を作っても、政治家に徳と礼節がなければ、
国民は、うまく規制や法律を免れることばかり考えて、
結局、これは、国全体のモラルの低下を招く。
政治家が自ら襟を正し、人格的な高潔さと礼節をもって、国を治めれば、
国民は、政治家を鏡として、自らを律することとなり、国は治まる。